南アルプス 悪沢岳・赤石岳
●第3日目(9月13日・日) 晴れのち曇りのち大雨  悪沢岳3,141 m~赤石岳3,120.53m
千枚小屋~千枚岳~丸山~悪沢岳~中岳~荒川小屋~大聖寺平~小赤石岳赤石岳~赤石岳避難小屋(泊)
悪沢岳は、南アルプス国立公園内の赤石山脈にあり別名東岳または荒川東岳とも呼ばれ 日本第6位の高さです。(第1位は言わずと知れた富士山 3,775.6m、第2位は北岳3,193.2m、第3位は奥穂高岳3,190m、第4位は間ノ岳3,190m第5位は槍ヶ岳3,180m、第6位が悪沢岳3,141m、第7位が赤石岳3,120.53m)と標高の高さでは南アルプスがだんとつに多いことがわかります。
夜明け前の霊峰富士
中岳と千枚岳には三角点があり、その最高峰は悪沢岳。荒川岳一帯には氷河によって削られた地形であるカールが数多く見られます。上部は森林限界のハイマツ帯で、非常に多くの高山植物が自生しライチョウの生息地となっています。カールの中腹や底は、いずれも大規模な高山植物のお花畑となっており、特に中岳、前岳から荒川小屋に下る斜面では、規模の大きなお花畑の真ん中を登山道が通っているため、盛夏には花のじゅうたんに囲まれながらの登山を楽しむことができます。
赤石岳は赤石山脈の長野県と静岡県にまたがる山で、南アルプス国立公園内にあります。
北岳・間ノ岳・悪沢岳に次いで、南アルプスで4番目の高さで、山頂には一等三角点が設置されていて、一等三角点としては最高所のものとなっています。
山頂直下の南に赤石岳避難小屋があり、約700 m北に小赤石岳のピークがあります。稜線の東側斜面にはいくつかのカールが見られ、これは日本国内では最南端の氷河の痕跡だそうです。南西斜面には「ゴーロ帯」と呼ばれる岩石氷河の地形が見られ、山頂付近では線状凹地が見られる。山体は輝緑凝灰岩や火砕岩などから構成されています。
悪沢だけや赤石岳など、いずれの山もテント禁止地域です。
タイムスケジュール
 千枚小屋  05:00
 千枚岳  06:00
 丸山  07:05
 悪沢岳
(突風のため岩陰で30分避難) 
 07:50
 08:30
 中岳避難小屋    09:35
 09:45
 荒川小屋   11:25
 11:50
 小赤石岳  14:30
 赤石岳  15:10
 赤石岳避難小屋  15:15 
霊峰富士 朝の千枚小屋
暗闇の中を出発出発 ご来光
12日は寒冷前線が日本海中央部に有ったため一日中良い天気だった。前日夜の天気予報では、前線の通過に伴い13日は午後3j時頃から崩れるであろうとの予報。早出して少しでも雨に濡れる時間を少なくするため出発を当初の予定6時から午前5時に出発することにして眠りにつく。た。
早朝、千枚小屋で朝食のおにぎりを受け取り予定通り午前5時に出発。途中で富士山からのご来光を拝み「うわ~っ!凄いっ!綺麗っ!」と感嘆の声を連発しました。天気予報では午後から雨とのことでしたが出発して千枚岳を通過するころからポツポツと雨の気配を感じました。笠ヶ岳の山行で山の雨は特急でやってくることを体験しましたので「合羽を着よう」と雨具を取り出しました。ほぼ同時に出発した三重組、近江八幡組も合羽を着始めていました。
今日は奥の雲がかかった頂まで行きます。あれが赤石岳、手前の頂が小赤石岳です
千枚岳に着いたぞう
あれが千枚岳 奥が悪沢岳右が丸山
 千枚岳の三角点です  奥が悪沢岳右が丸山
千枚岳から少し下り丸山、悪沢岳へと登り返します
丸山で雨具を着けて進みまーす
悪沢岳の頂上でーす
悪沢岳の頂上の岩陰に身を隠し強風が弱まるのを待ちます…寒いとにかく寒い
出発してから約3時間、岩場の多い足場の悪い道を強風と雨の歓迎を受け悪沢岳に到着しました。山頂は強風が吹き荒れて立つことすら不可能になってきました。おまけに雨も大粒に変わり一歩も前に進めなくなりました。「とにかく低体温症にならぬ様にダウンを着て、しばらく岩陰に避難しよう」「こうなったら行くも地獄、戻るも地獄やなぁ」と言いつつジョンと姫が様子を見に先を歩いてみることにしました。突然ジョンが強風に跳ね返されました。姫は「岩が恋人」と言わんばかりに岩に抱き付き四つん這いで戻ってきました。三重組と近江八幡組は撤退を決めて千枚小屋に引き返した様子で、もう姿はありません。すると赤石岳の方からやってきた若者が2人悪沢岳にやってきました。強風の様子を聞くと「う~ん・・この1.5倍かなぁ」避難をしている間に幸いなことに風が少し和らいだ気がしました。「今や!前に進もう!」常々、突っ込み癖があると指摘されている姫は既にリュックを背負いストックを持ち行く気満々です。後で赤石岳避難小屋小屋の管理人さんに聞いたのですが、小屋の風速計は風速24.7メートルを指していたようです。そりゃあジョンが吹き飛ばされるはずや・・・。
中岳避難小屋でーす  中岳避難小屋到着   寒いなあ…若者は元気だなあ
 晴れそうで晴れない 荒川中岳でーす  中岳と前岳のコルだあ
中岳と前岳のコルから荒川小屋へと降りていきます
赤石岳・小赤石岳と荒川小屋
等高線沿いの道を大聖寺平へと向かいます 大聖寺平に到着です
大聖寺平から小赤石岳へは見通しの悪い強風の中を歩きました
恐怖&強風の悪沢岳から脱出し、中岳避難小屋で休憩をさせていただき、荒川中岳を経て風とガスの中をひたすら進みました。4人がピツタリと一緒の歩行ではなく自分たちのペースにあった速度で進み、時々「お~い来てるか?」と声をかけるとかすかに笛で合図が返ってきました。互いに声の聞こえる範囲を保ちながら小赤石岳分岐まで何とかたどり着きました。「あきらめずに引き返さないで良かったね」あと少しで赤石岳頂上というところで先を歩いていた宇都宮チームが「山頂です」とゴール手前で待っていてくれました。4人揃って手をつないで山頂を踏みました。強風の中、頑張った自分と若者たちのやさしい心遣いに感動して、思わず涙がポロポロ・・・雨飾山での雪渓滑落と言い、強風の悪沢岳と言い、運命共同体の感動は計り知れませんでした。
小赤石岳に到着
赤石岳に到着でーす 
小屋の管理人さんにあたたかく迎えていただきました
ブロッケン現象を見ることができました 彩雲を初めて見ました
私達は最初から赤石岳避難小屋と決めていました。避難小屋と言えども管理人が駐在しており、暖房も、電気もあり手厚いもてなしをしてくれました。熊のようなおひげを蓄えた管理人さんはフェイスブツクで毎日小屋情報をアップしておられます。自炊場所は1階、寝るのは2階となっておりリュックは階下に置いてあがります。「着替えが済んだら外においで~今から良いものを見せてあげる」とすぐ上にある展望台に案内をしてくれました。「来るぞ~来る、来る~ガスが来て陽があたる・・・よぉし!いい調子だ!」とブロッケン現象の到来を教えてくれました。何度も何度もブロッケン現象を見ることができました。富士山は大きく目の前にそびえていて、ときおり笠をかぶったり脱いだりと見ていて、まるでとドラマを見ているようでした。「次は彩雲だ~」虹は横に円を描きますが彩雲は縦に見えています。初めて見ました。山頂にある小屋だからこその素敵な天然ショーを堪能しました。
綺麗な夕焼けでした…明日は天気がよさそうです
気が付けば「さむっ!」震えがくるほど身体が冷えていることに気が付きました。至福のひとときを済ませそれぞれ持ってきた食事を食べました。小屋にはビール、酒、リンゴ、パンなどもあり食べ物に困ることはありません。この日は私達4人だけの宿泊者で遅くまでおしゃべりをしていたと思います(だって・・・いつ寝たか記憶にないんだも~ん)
写真:美智子姫●●